“お父さんのカメラ、使わないならこの場所へ” それは父から届いた最後のメッセージ。美しい風景を前に、父が愛用したフィルムカメラを構えるナミ。しかし、なぜかシャッターを切ることができない。何かが足りない。指定された場所を訪れたナミは、“あなたは何を撮りたいですか?”と書かれたメモを見つける。ふと蘇る父との思い出。そしてナミは、カメラを手放す。翌朝、不思議なメッセージが届き、再びその場所を訪れたナミは、あるものに出会う。場所や時代を定義しない、台詞のない世界。深い映像美に包まれた、静かに愛おしいフィルム。